こんにちは!動物診療助手の德久です。
早いもので10月も後半に入り、日中は暖かい日もありますが朝晩は冷え込んできましたね!
寒暖差が激しいと人も動物も体調を崩しやすいので皆様お気をつけてお過ごしください。
さて今回は『膀胱結石』について紹介いたします。
膀胱結石とは、膀胱内の尿中にできた結晶が石状に固まったものです。
大きさは数ミリから数センチで表面は滑らかなこともあれば、ギザギザしていたり、ボコボコしていたりすることもあります。
ワンちゃんやネコちゃんも暖かい季節から寒い季節になると飲水量が減ってしまいそれに伴い泌尿器系の疾患が起きやすくなってきています。
トイレの回数や量が減ることにより「膀胱炎」になりやすく、排出されるはずの尿が膀胱内で濃縮されてしまうため「尿石症」や「膀胱結石」になる可能性があります。
<症状>
・血尿
・頻尿
・腹痛
・おしっこにキラキラしたものが見える
・排尿姿勢をとるのに尿がでてない
膀胱結石が巨大になり腹痛がひどくなると元気や食欲が落ちることもあります。
尿に細菌感染が起こっている場合、尿からいつもと違った臭いがしたり濁っていたりすることもあります。
膀胱結石を形成する尿の結晶の種類は様々なものがありますが、ここではよく見られる2つの結晶について紹介します。
○ストルバイト結晶
最もよく見られる尿中の結晶で尿がアルカリ性に傾くと尿中に出やすい結晶です。
治療によって溶かすことのできる結晶です。
○シュウ酸カルシウム結晶
尿が酸性に傾くと出やすい結晶です。
療法食により溶かすことのできない結晶です。
同じフード、おやつを食べていても結石になりやすい子なりにくい子がいて個体差があります。
一度結石が大きくなってしまうと、治療で溶ける種類の結晶からできた結石でも溶かすことは難しくなります。
また結石の大きさによっては尿道に移動して尿道が詰まり尿道閉塞という緊急的な状態になってしまうこともあります。
<予防できること>
・尿路疾患に配慮したフードを選ぶ
尿中にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多くあるとそれらを核とした結石ができやすくなるのでマグネシウムなどの各ミネラル成分が調整されたフードをあげる。
・おしっこを我慢させない
トイレを清潔に保ちいつでも排尿できるようにする。
・水分補給しやすい環境を作る
お水が空になって飲めないということがないように何ヶ所かにお水を設置する。
あまりにもお水を飲まない子はウェットフードなどで水分をとらせてあげる。
日頃から尿の回数、量、色などを観察できるといいと思います。
健康診断もかねて尿検査することにより見た目では分からない血尿や結晶尿が分かることもあります。
また尿検査は慢性腎臓病や糖尿病の早期発見も可能になりますので定期的な尿検査をオススメします。
当院で採尿スポンジをお渡しいたしますので尿検査ご希望の方はお声掛けください。
10月18日に「ニュースevery.」で膀胱結石の話題を取り上げていただきました。
この機会により多くの飼主様に膀胱結石を知っていただいて多くのワンちゃん、ネコちゃんが予防出来たら幸いです。
もうすぐハロウィンなので我が家のワンコも仮装してみました!
オヤツをくれなきゃイタズラしちゃうぞ!
Trick or Treat!!